この自由な世界で
この自由な世界で ★★★★★
ケン・ローチ監督,健在なり。
なのだが。
・・・重苦しい!
今までのケン・ローチ監督作品の登場人物も,決して,品行方正なわけではなく*,ユーモアとたくましさがあったので,その意味では,描く”まなざし”は,変わっていない・健在なのです。
けどね。
虐げられている人が虐げる側に回っちゃう(大状況では虐げられている状況に変わりはないのだが,それが見えにくくなってしまう)というのは,かつて無かったのでは。
・・・どーして,こんな「自由な世界」になっちゃったんでしょう・・・
「ブレッド&ローズ」あたりは,ちょっとヒトゴト感がありましたが。全然,ヒトゴトじゃない状況なのが,また,重苦しく。
アンジーの父親ジェフが言うことは,まさに正論なのだが,「30年,同じ仕事を続けることができた」状況と,”今”の状況は,まるで異なるのである。きっと,見えている「世界」が違う。この辺の”世代論”は,私にも,文句が山のようにある。
が,もはや,その”違い”を言い立てて済むような事態では,ない。
このまま放っておくと,どんどん,おかしな世の中になっていく。
まさしく,
「またしてもケン・ローチのきつい一撃だ。心えぐる映画。」(仏ル・パリジャン紙)
* 羊泥棒してみたり,とんでもない事態を隠していたり:『レイニング・ストーンズ』(それを黙認したのが牧師←最初の設定はソーシャルワーカーだったらしい),工事現場に火をつけてみたり:『リフ・ラフ』等々。
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