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2009年3月の5件の記事

2009年3月22日 (日)

この自由な世界で

この自由な世界で ★★★★★


ケン・ローチ監督,健在なり。

なのだが。
・・・重苦しい!

今までのケン・ローチ監督作品の登場人物も,決して,品行方正なわけではなく*,ユーモアとたくましさがあったので,その意味では,描く”まなざし”は,変わっていない・健在なのです。
けどね。
虐げられている人が虐げる側に回っちゃう(大状況では虐げられている状況に変わりはないのだが,それが見えにくくなってしまう)というのは,かつて無かったのでは。


・・・どーして,こんな「自由な世界」になっちゃったんでしょう・・・
「ブレッド&ローズ」あたりは,ちょっとヒトゴト感がありましたが。全然,ヒトゴトじゃない状況なのが,また,重苦しく。
アンジーの父親ジェフが言うことは,まさに正論なのだが,「30年,同じ仕事を続けることができた」状況と,”今”の状況は,まるで異なるのである。きっと,見えている「世界」が違う。この辺の”世代論”は,私にも,文句が山のようにある。
が,もはや,その”違い”を言い立てて済むような事態では,ない。
このまま放っておくと,どんどん,おかしな世の中になっていく。

まさしく,
「またしてもケン・ローチのきつい一撃だ。心えぐる映画。」(仏ル・パリジャン紙)

* 羊泥棒してみたり,とんでもない事態を隠していたり:『レイニング・ストーンズ』(それを黙認したのが牧師←最初の設定はソーシャルワーカーだったらしい),工事現場に火をつけてみたり:『リフ・ラフ』等々。

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2009年3月20日 (金)

”はい”と”うん”:ありふれた奇跡

そうだよね,会話って,流暢な”文章”のわけないよね,ということを,しみじみとわからせてくれた「ありふれた奇跡」。素敵なドラマでした。
特に,第4話の終盤,岸部一徳と風間杜夫の密談(その段階では何の話しをしているのか,まるでわからない)での風間杜夫の何パターンもの”はい”が,絶品でした。ともかく,”はい”,”うん”,”そうね”という,ありふれた相槌と,かけあいの会話が,実に印象的。
例えば,クドカンが年輪を重ねると,こうなるのか?(笑)

前クール,同じような大々的な扱いで,某大御所脚本家が書かれたドラマがありましたが。あっちは,ずっと好き勝手に生きてきたくせに,最期は家族,とりわけ美しい娘に看取られるのかよ,なんて身勝手な*・・・という展開で,まぁ,男性の妄想・希望も,ここまでてらいもなく描けば,ある意味,立派でしたけどね(^^ゞ

「ありふれた奇跡」は,会話は”ありふれた”ものでありながら,物語・背景,かなりありふれていない事が盛りだくさん,でも,たしかに”ありふれた””奇跡”なんだな・・・という,実に不思議な,味わい深い,さすが山田太一のドラマでありました。

正直,仲間由紀恵だけがミスキャストなんじゃ・・・(例えば,深津絵里あたりだったら,もっと自然体だろうに)と,思っていました。でも,最終回,何度も,実に,味わい深い,しみじみとした表情をみせ,あぁ,やはり,良い女優さんだなぁと,少し,ほっとしました。

素敵な,良質な,ドラマ・・・ね。はい。

* この脚本家の代表作・国民的ドラマの主人公(なのかな? 息子の方ね)も,実にふざけた奴だと私は思うのだが・・・

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ジェネラル・ルージュの凱旋

ジェネラル・ルージュの凱旋 ★★★★★

さっすが,”魅惑の微笑みを持つ男”,堺雅人。

”微笑”はもちろん,念願のアレが目の当たりになったときの,呆然としているというか,宿願が果たせたというか,こう,なんともいえない表情には,圧倒されました。
もともと好きな役者さんではあり,堺雅人といえば「ココニイルコト」を押していましたが,「ジェネラル~」は双璧,あるいは,超えたかも。

前作の映画版「チーム・バチスタの栄光」も,構えずに観たら,意外や意外,”社会派”でしたが,「ジェネラル・ルージュの凱旋」は,堂々たる,社会派ドラマ・映画ですね。

パンフレットにも記載されていましたが,
あんたらは,救命救急センターがどうやって回っているのか,誰も疑問に思わなかったのか?
・・・これに,つきますね。
原作のシリーズも,機会あったら,読んでみよう。

ジェネラル”ルージュ”の意味,
リベンジすべく準備を重ねて”凱旋”した時の状況,
もう,素晴らしい!!!

それと,どうでもいいことではありますが。
素晴らしい役者さん達なので,かぶることは,ない!のですが。
でもでも。
堺雅人&山本太郎といえば,「新選組!」での,山南さん&左之助のコンビ。
山南(堺雅人)さんの最期の前の新選組の状況が,あーだったわけで,こっちの救命救急でのセンター長の指導風景等々,なんか,妙に,ニヤニヤしながら,観てしまいました。まぁ,山本太郎は左之助の感じよりも,「バトルロワイヤル」の感じに近いかな?

出演者は,皆,良いですが。・・・貫地谷しほり,恐るべし。

1年の折り返し地点すら,まだ先ですが,今年のMy映画賞の有力候補,です。


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感染列島

感染列島 ★★★★★

泣き顔,日本一,妻夫木聡*

緊張感・緊迫感が,ずーっと続く,張り詰めた映画でした。
切ない・究極の選択を次から次へと迫られる,壇れいが,とても美しかった。
「日本沈没」の大地真央 (鷹森沙織)といい,宝塚出身者の凛々しさが印象的です。

中盤,壇れい演じる小林栄子が,病院スタッフに自発的な協力を求め,じわじわと協力者が立候補する場面等,感動する場面が多かったです。

他,特記事項としては!
病院ロケ地が,よく知っているところだったので,おぉ~と,思いながら,別の楽しみがありました。


* 「天地人」でも,泣き顔・妻夫木の魅力をいかんなく発揮していますが,「ジョゼと虎と魚たち」の号泣シーンも,すごかった。


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誰も守ってくれない

誰も守ってくれない ★★★★☆

くたびれた中年を演じると天下一品,ダンディー・佐藤浩市。

君塚良一が,脚本と監督を兼ねると・・・ちょ~っと,堅くというか,くさくなる気がする。
「踊る」フリークのワタクシは,「踊る」関係の諸々インタビュー記事などをみていると,エンターテイメントを大事にしたプロ集団のチームワークの凄さに,ほとほと,感心するわけです。
が,脚本・監督兼ねると,良くも悪くもその人の色が濃くなってしまうようです。

佐藤浩市,志田未来が良いのは,ある意味,あたり前・期待通り。
柳葉敏郎が,思ったより,とっても,素晴らしかった。

公開に先立って放映された,ドラマ「誰も守れない」も良かったですね。
ドラマの方が良かったかな。

若手実力派女優の中では,個人的には,志田未来よりも,福田麻由子の方をひいきにしているのですが,残念ながら,「ヘブンズドア」は,見逃してしまいました(T_T)

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