闇の子供たち ★★★★★
今年のまるさと映画賞候補*。
MYチェックから外れていたのですが,とある方から教えていただき,いやぁ~むりくり観に行ってよかった。
なかなかの衝撃作であることには違いないです。
題材的には,TVドラマ「リミット」を思い出しました。
私は,ケン・ローチ
監督作品がとても好きなのですが,そういう作品,つまり,いわゆる”社会派”でありながら,声高な主張を前面に出すのではなく,日常的な”まなざし”から描くことで,かえって”社会問題”が浮き彫りにされ,普通の人たちが抱え込んでしまう矛盾ややりきれなさ,その一方でのささやかな希望のようなもの(人や生活は続いていくわけですから)を描くタイプの映画は,日本映画では,難しいのかな,と思っていたのです。
そんなことはありませんでした,というのが,この「闇の子供たち」。
江口洋介は,チャレンジングな役でしたね。
佐藤浩市は,こういう役を演じさせたら,やはり天下一品(そりゃ,「ザ・マジックアワー」も良かったけどさ)。
また,鈴木砂羽演じる母親が,素晴らしかった(連続ドラマ「だんだん」の母親役も良いですね)。
NGOで働く宮崎あおい演じる女性は,”大学で社会福祉を学んだ”という設定ですが,臓器移植を望む患者(こども)の親のところで見せる姿勢は,社会福祉(特にソーシャルワーク)的には(も)大NGですから,念のため。新聞記者に窘められていたけど(当たり前じゃ),ああいうのは,面接場面での悪い例の典型ですね。
内容としては。
技術的に解決できることと,社会的・倫理的に現実可能かどうかは,別問題だということ。
医療・科学技術を否定するわけではありませんが,その領域に果たして踏み込んでいいのかどうかという技術の側面があると,私は思う(それが,鈴木砂羽演じる母親の痛切な叫びへの解決にはならなくても,よりそうことはできると考える)。
印象的,というよりも,心につきささる場面や展開はいくつもありましたが,売春宿で働く若い男性が,一斉検挙で連行される時の妙にほっとしたというか,さっぱりとしたというか,そんな表情が,この映画で描かれているいろんな”問題””矛盾”を象徴しているように思いました(おそらく,彼にとっては,刑務所の中の方が平穏なのでしょう)。
* 対立候補が「アフタースクール」なので,比較不能という気がしないでもない。
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